700番 本音の感想(一部辛口)
700番。遅ればせながら読み終えました。
そっかー。パンが飛び出すトースターは日本人が開発したのか。
全てを読み終えた後、意識的にグイーッとこの平和的な章に
気持ちを持っていかないと心のザワつきが治まらないだろうな。
そう思って、読んでいる途中、トースターのページに
思わず付箋をつけた。
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しょっぱなの所、「はじめに」の数ページを読むのに
15分程かかってしまった。ASKAさんらしい
比喩の言葉で紡ぎ出された文章から、ASKAさんの
心の叫びが絞り出されていた。ASKAさんが
ブログでは決して吐露しなかった、激しい後悔と
再起に向かってもがく姿が強烈。読んで数行程で、鼓動が大きくなり、
ボトボトに泣けてきた。私は、自分の気持ちを逃がすように、
「あぁ、しんどいなぁ。どうしよう」と言って大げさにため息をつく。
そうしないと先に進めない。そして少しずつ同じ行を
何回も何回も読み直しながらASKAさんの思いをゆっくりと吸収した。
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しかし本編からは、イメージがガラリと変わる。
本編は感情的な表現は、ほぼ無く
出来事のみに特化した内容。流石の文才と構成でサクサク読めた。
あー。良かった。一安心。
前半は、病院の話を縦軸に、ASKAさんの昔のお話が、
ちょいちょい挟まれていて、気持ちを分散させながら
重くなり過ぎずそして飽きずに読めた。
p65にある剣道の「待ち剣」相手が打ってくるのを待って
防御から攻撃に転じる手法の話が印象的。
こういう所からASKAさんの自己プロデュース力が
生まれるんだな。何でも取り入れるなと感心した。
分かりやすい所でいえば、今年1月にアップされた
ASKAさんのブログ。
ASKAブログ「噂」アップ→
ASKAブログ「朝焼け(UFO話)」アップ→
マスコミが面白がってASKAを病気扱いする→
ASKAブログ「一部のメディアの素性が見えたでしょう?」アップ
の流れも、「待剣」なんじゃないかと思う。
違うかもしれないけど(^▽^;)
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あと、私、以前の自分のブログで芸能リポーターが
ASKAさんの未発表の曲を無断で流した件について、
腹はたつけど、自分も元テレビ業界にいたからその気持ち、分かる……
とか書いてしまったけど、撤回!!!
700番を読んだら、
やっぱあの人ダメだな。
情状の酌量なしだ。と思った。
ASKAさんの失敗に世の中が寛大でなかったのと同じように、
あのリポーターの失敗に世の中は寛大になってはいけないと思った。
ミヤネ屋での放送終了後の電話の件を読んで益々そう思った。
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あと前半を読んで、正直に私が一番感じたこと。
ASKAさんは病院や拘置所において一般の人より恵まれている。
病院の看護師も、拘置所の看守も気さくに話かけてくれて、
時にはマニュアルに背いてまで、とても良くしてくれたような
記述がある。
このASKAさんの1回目の逮捕から強制入院。
もしも、これが自分の身に降りかかってきたことだと想像したら。
果たして看護師や看守はASKAさんにした時と同じように、
あれやこれや、私にしてくれるだろうか?
それに、病院まで駆けつけてくれる親しい弁護士もいない。
これが私だったらどうなってしまうんだろう……。
そう思うと肝が冷える。
やはりASKAさんは恵まれていると思う。
でもそれは勿論、ASKAさんの人徳や
今まで築き上げたものの結果だけど。
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それと……
p25の閉鎖病棟に居た人たちのこと。
よだれを垂らしながら廊下を見ている。
大きな声を上げながら喚いている。
裸で部屋中を歩いている。そんな人たち。
その様子を見てASKAさんは、
「私はなぜここにいなければならないのか」
って書いている。
「この人たちと僕は違う!」と思う気持ち。とてもよく分かる。
でも、もう少し配慮のある書き方をして欲しかったな。
この人たちは、真面目すぎて、優しすぎて、繊細すぎて、
頑張り屋すぎて、そうなってしまった人たち。
700番を読んでいる人のご家族の中にも今、
精神病院でそうして戦っている人がいるかもしれない。
そして、強制入院を選択しなければいけない家族にとっても
それは地獄だ。
私の母は、統合失調症でした。手に負えなくなり、
私が母を強制入院させました。
無理やり入院させた時の、あの時の母の目。
憎しみしかない鋭い目で私をいつまでも睨み続けていた。
それが脳裏に焼き付いて毎日のように
母から殺される夢を見ていた。
何年も見続けていた。寝るのが怖かった。
精神を患っている本人も家族も、しんどいから。
だからもう少し他の表現にして欲しかったなぁ。
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前半は、そんなことを思いながら読みました。